神経根パルス高周波法(PRF:pulsed radiofrequency)とは42度C以下で高周波を間欠的に発生させることで電場を発生させ、神経に作用し、鎮痛作用をもたらす方法である。パルス高周波法は神経組織の変性を起こす可能性は極めて低く合併症が少ないとされています。
神経根パルス高周波法は500キロヘルツの高周波電流を20ミリ秒出力、480ミリ秒休止を2回/秒の頻度で電磁場をかけて痛みを軽減させる治療法です。高周波熱凝固法とは異なり温度は42度C以上にはなりません。熱により神経組織が凝固する訳ではありません。電磁場による作用が大きいとされています。
右第5腰神経根パルス高周波法
電磁場の鎮痛作用の機序はまだ明らかになっていませんが、1)神経細胞の微細構造を変化させ、神経細胞の機能を変化させる2)痛みに対する下降性抑制系を賦活させる3)炎症性サイトカイン産生を抑制する、などが報告されています。
鎮痛効果はすぐに現れることもありますが2-3週経ってから効果が出てくることも多いように思います。
このブロックは効果に蓄積作用があり複数回施行することも必要なこともありますが保険診療上の制約があります。
現在は当院の人的・時間的な制約や入院設備がない事などにより神経根ブロックは効果を認めるが再発する腰下肢痛に限定しております。
筋力低下、知覚障害、運動麻痺は高周波熱凝固に比べて生じにくいがゼロはない。
穿刺に伴う感染、出血、穿刺部痛。神経炎、神経損傷、くも膜下穿刺、血管穿刺、対極板接触不良による熱傷など通常の高周波熱凝固法と同じような合併症があります。
他に神経根ブロックと同様の合併症の可能性があります。
きのしたペインクリニックではパルス高周波法は月曜日、火曜日、金曜日の15時30分枠の最後に原則として1人のみ行います。